2014年9月8日月曜日

The Train Kept a Rollin'

 「ブギウギ列車夜行便」ってタイトルはエアロスミスのヴァージョンだけ、ってのは覚えておいた方がいい。

 タイニー・ブラッドショウだのジョニー・バーネット・トリオだの言われてもやっぱり俺たちにとってこの曲はヤードバーズの曲。まあTwist and Shoutをいちいちアイズレー・ブラザーズまで遡らなくてもいいでしょ、ってレベルの話だ。カヴァーだろうとパクリだろうと、原曲を超えてしまったらそいつの勝ちだと思っていい。それがロックンロールの世界だ。

 いきなり余談だったけど、そうは言っても、文字情報でしかこの曲を知らず、激しいロックンロールを期待していた俺には最初聴いたヤーディーズのヴァージョンは拍子抜けするものだった。当時はまだキース・レルフのシンガーとしての素晴らしさを理解していなかったのも事実だし、やっぱりあの意味不明なダブルトラック・ヴォーカル、あれに馴染めなかったのね。しかもうにゃうにゃと何歌ってるか良く解らないし。なんか、シャープでハードなサウンドを期待してたのにぐにゃっとした音像を聴かされて、戸惑いが大きかった。後から聴いたBBCライヴのヴァージョンはやっぱり解りやすくて良かったし、Stroll Onはもっと良かったな。このトラックでTrain Kept a Rollin'の歌詞載せて演ってほしかった、って思ってた(それはペイジ期のライヴヴァージョンを聴けば良い、という話なのだけど)。

 そんな俺の溜飲を下げたのはやっぱりエアロのヴァージョンだったんだけど、正直前半のハーフテンポのパートは(当時は)不要だと思ってたのね。今は格好いいと思うけど。あと後半のブレイクが良いよね。ただやっぱり、エアロスミスってバンド自体が、基本的には好きなんだけどなんとなく肌に合わないというか、とにかくこのヴァージョンも「近いなー、いい線だなー」まで行くんだけどドンピシャじゃなかった。

 そうなると結局、ありきたりなようだし、公式ヴァージョンは未だリリースされてないけどZepのヴァージョンが圧倒的だなあ、とも思ってしまう。やっぱりスピード感とハードさ、要するに俺が最初に(聴く前に)イメージしてたのは紛れもなくこれであって。リフに合わせたボンゾのハイハットのフレーズ(所謂「だちーちーちー」って奴)とか、パーシーの歌い回しとか、もう完璧なんだけど。如何せんブートのみで、完璧な音質のヴァージョンが殆どないってのが、ね。

 そんな俺のもとに表れたのが「反則技」だった。FoghatのHoney Hush。元々ジョニー・バーネットのシングルはこの2曲がカップリングだったんだけど、実はヤーディーズのTrain〜はHoney Hushのリフも参考にしている部分があって、合わせ技的なカヴァーだったんだけど、それをもう一度整理してHoney Hushの方に戻してやった、って感じのヴァージョンで、疾走感込みで俺のツボに凄く近い。Foghatのゴリゴリなブギーサウンドとの相性も最高だしね。

 その後、もっと反則なTall Cool Oneって曲が現れるんだけどそれは別途語りたいと思う。

 いや、それだったらStroll Onでいいじゃん、って話なんだけど、今となってはそれもホントで、てかもうヤーディーズのスタジオヴァージョンのTrain〜でも全部よくて、この曲そのものが大好きで、いや勿論、ブラッドショウもバーネットも最高ですよ。オリジナルだもん。

0 件のコメント:

コメントを投稿