
アスペルガー症候群という病気を扱った映画ということもあって、それゆえの周囲との齟齬や軋轢はテーマの大きな一部を占めてはいるのだけど、その辺が重く描かれることもなく、基本的にはポップな音楽とポップな色彩と共に軽妙でハッピーなラブコメとして制作されている。観た人が100%幸せになれる、かは知らないけど、まあ楽しくて素敵な映画だったと思うよ。
シモンが下手糞なドラムを叩く導入部なんだけど、このタムを交互に叩くフレーズが「ツァラトゥストラはかく語りき」のつもりだというコトは友人に指摘されるまで気づかなかった。わかんねえよそんなもん!

ってかさー、この腕時計俺がすごーく欲しかった奴なんだよね。だからすぐ気付いたんだけど。まあ、俺は基本的に腕時計しないから無駄になると思って買わなかったんだけど。どうでもいいですね俺の話は。Premierのドラムも欲しいんだけど。
いつものごとく早速の閑話休題。
登場人物はいい奴ばっかり。兄ちゃんとイェニファーは言うに及ばず、シモンのバイト先の同僚ボンクラトリオも、上司のダーツ(下手糞)おじさんも愛らしく描かれているし、イェニファーの友達もやかましいんだけど凄いいい奴だし。

ボンクラトリオといえば、一切描写は無いが、なんとなく彼らもアスペルガーなのでは?と思わせる部分もある様な気がする。端役をカリカチュアライズしているだけ、というのも本当だろうけど、三人其々に何かに対する異様な執着をみせていたりとか、シモンと共通する要素も感じる。もしかしたらあの清掃会社はそういう若者の受け入れを積極的にやっている会社、という設定でもあるのかも。
閑話休題は持ち味です。
で、イェニファー。ギャルっぽい一面もありながらサブカル趣味っぽくて明るくて社交的でおおらかでだけど繊細な面もあって……ってパーフェクト設定過ぎないか!っていう、しかもそこに嫌みがなくて可愛くてな(好みじゃないけどな)。もう天使かよ!っていう(笑)勿論シモンに対する接し方も完璧。にしたってあの酷いファーストコンタクトからその後も殴られるわ水に落とされるわ散々な目に逢いながらも怒りもせずむしろ惹かれて行ってしまう、いや「惹かれていった」と言うよりも最初からなんだろうな。
最初は彼女の「面白がり」の部分から。そこから徐々に、この子いい子じゃん、一緒にいていい感じじゃん、っていう、なんかそのスムーズな心の流れがなー。最後シモンに「好き」と言うのも、恋なのか単なる仲良しなのかその中間なのか、微妙だしはっきりしないけどどれでも無いかもしれないけどまあ好きなんだからいいじゃん、っていう、なんてーの、丁度いい感じ。アレよ、パシリムのマコとローリーの「おでこコツン」と同じニュアンスよ。
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