2014年2月20日木曜日

The Who / The Real Me

 ジョンとキースを堪能する名曲云々、という話をいまさら書こうという話ではなく。

 最近似非DJ行為に手を染めているおかげで、7インチのコレクター的なことも始めてしまった。まあ、ここのところ少し冷静になってあまり買いすぎないように気をつけ、出来るだけ60〜70年代のレコードには手を出さないようにしている。

 それでも思い入れの強い一部のアーティスト、特にジョージ、ポール、Quo、プリティズ、そしてフーあたりはどうしても欲しくて、まあ、物によってはレアだったりもするしまあまあアレな値段で入手したり、なんて危険な行為にも片足を突っ込んだりして、文章の歯切れが悪いのは勿論、ちょっと後ろめたさを感じているからである。


 で、最近手に入れた7インチの一つがこのThe Real Me / Dr. Jimmyのカップリング盤だ(フランス盤)。このレコードが欲しかった最大の理由は、どちらもアルバムではインスト曲(QuadropheniaとThe Rock)に繋がっているので、単体で切り出した時にどういう風になっているのか、という興味だった。

 若いころは特に、こういうキャッチーな曲は短く聴きたかったし、自作のベストテープなんかに単体で入れにくいのは不便だと思っていた。そういう時に重宝したのがジョンがリミックスしたサントラヴァージョンで、エンディングがフルで終わるようになっている(ジョンが新録したパートを編集で繋いだと思われる)。ただ、このシングルは73年のリリース。ジョンの追加録音は行われていないはずで、それがどう終わるのか、というのが俺の興味だったのね。

 イントロもいきなりバンドの音から始まり、I'm The Seaにあたる部分は全カット。Can You SeeThe Real Me Can You?で始まらないのは意外に唐突に感じる。そしてエンディングはなんと、ラストのエコーのかかったCan You See Real Me?のパートをカットして、Can You See The Real Me Mamaから、間奏部分(I ended up with the preacherの前のパート)のキメを編集で繰り返しながらフェイドアウト。エコー部分を早めに音を絞るかと思っていたので結構驚いた。

 さて、こうなると国内盤7インチ(Waterとのカップリング)が同じミックスなのかが気になるのだけど……こないだ中野のユニオンで見つけたけど、ちょっと手が出る値段じゃなかったんだよねえ。まあ、多分同じだろう。同じと信じよう。フランス盤よりはるかに格好いいピクチャースリーヴだけど。

 ってなワケで、実はこの曲には地味に三つのミックスが存在するワケなんだけど、近年重箱の隅的別ミックスが散々CD化されているにもかかわらず、このヴァージョンは何故か一切CDになっていないんだよね。B面のDr. Jimmyは早めにフェイドするだけなんだけど、これもCDになっていない。折角だからどうにかならんもんですかねえ。 

2014年2月14日金曜日

Level 42 Best 10

 久々に俺ランをやってみる、の巻。

 今回は何の理由も切っ掛けもなく、レヴェル42のベスト10を。突然聴きたくなったついで、というか……
 とはいえ、正直そんなにこのバンドに詳しいわけでもなく、もう圧倒的に今回1位の曲とその収録作が好きで、そのついでと言ったら怒られるけどそんなレベルで他のアルバムも少しずつ聴いたり聴かなかったり、という程度のファンです。まあ、門外漢による俺ランシリーズの一つ、として……

1. Running in the Family
2. The Sun Goes Down (Living it Up)
3. Something About You
4. Hotwater
5. Fashion Fever
6. Lessons in Love
7. Children Say
8. The Chinese Way
9. It's Over
10. World Machine

 数年前にビルボード東京でライヴを見たんだけど、こんな俺でも知ってる曲しかやらない、みたいなライヴで最高に楽しかったな。メンバーチェンジや活動停止、復活を繰り返しながら長いことやってるバンドだけど、この時は殆ど87年までの曲(グールド兄弟在籍時)しかやらなくてな。そのときのレポート(1 ,2)は旧ブログで書いたけど。

 そのレポートでも書いたけど、Running in the Familyは圧倒的にプリンシズ・トラスト(87年)でのライヴヴァージョンの印象が強い。この時はキング、リンダップに加え、ミッジ・ユーロ&エリック・クラプトン(G)、マーク・ブリゼジキ&フィル・コリンズ(D)、あと鍵盤誰だっけな。忘れたけど、とにかくスーパーバンドだったのね。スーパーバンドがいい、って言うんじゃなくて、この時の印象が擦り込まれてるし、あとエンディングの終わり方が格好良くてさ。エリックのソロも微妙に場違いながら微妙に格好いいし。キングが「えりっくくらぷとぉん!」って叫ぶのも込みで、さ。

 なんか俺ランと言うより★★★★★(旧ブログのコンテンツの一つ)みたいになっちゃったな。それくらい好きなんだよ。

2014年2月9日日曜日

機材のお話

 久々のブログ復活だから機材の話を書こう。

 ドラムセットは持っているけど、車どころか運転免許も持っていない俺がこれを叩くことは、当分無いだろう。高校時代に祖父に買って貰ったPearlのWild Wingシリーズで、何故かあの時代にあえて24インチのバスドラを買った、というのは自分を褒めたい。元々は12、13インチの深胴タムと、16インチのフロアタム、14×6.5インチのスティールシェルのスネアという一般的なセット。最初に付いていたシンバルはおまけレベルのPeral CX500シリーズ(20、16、18インチ)という組み合わせだった。
高校時代はこのまま使っていたけど、卒業後にまずシンバルが気に入らなくなった。よく俺が使う表現で「鍋のフタを叩いた方がマシってレベル」の音だったのでまずクラッシュ2枚を買い換えた。A.Zildjanの16インチThin Clashと17インチMedium Clash。当時は薄くて小口径のが好きだったんだな。シャープなクラッシュ音を求めていたらしい。それからハイハットを同じくA.ZildjanのQuick Beat Hi-Hatsに買い換えた。コレもシャープさを求めての空気穴付きモデル。ライドはどうにかなっていた(と思い込んでいた)ので安物のまま。20代初めの頃はこういう機材。ペダルは元々セットに付いてたパールのから、当時のバンドメンバー(ベーシスト)から買い取ったTAMAのペダルに。

 「森企画」に入った頃、最初は上記の機材で演っていたんだけど、流石にライドにも限界を感じて、イスタンブールのPasha Mediumというモデルに買い換えた。なんか独特の渋い音で、正直使いづらいんだけど当時は何故か好きだったんだよねえ。この頃からタムは13インチのみに。それ以来1タムのセッティングを貫いている(今は主に12インチを使用)。ペダルはこの頃ジブラルタルのを購入。安かったから、程度の理由じゃないかな。
 森企画時代には他にも、セイビアンの20インチClassic Rideと、18インチMedium Clashを使っていた。コレはもらい物だけど、イスタンブールや、Aジルの16インチに限界を感じた頃重宝した。

 森企画加入後暫くして、平行して始めたのがthe MDK's。流石に気合いを入れるため、機材も徐々に強化。俺とMo.が共通してLed Zeppelin好きだったこともあって、ボンゾ的な機材を導入し始める。まず手始めにLudwigのスープラフォニックLM-400(14×5インチ)、コレは80年代のモデル。現行品より軽量なスナッピー止めパーツが特徴で、現行品のヘヴィデューティな感じが好きじゃないのでコレに拘りたいのだ。
 そりゃあボンゾ風を狙うならLM-402を買うべきなんだけど、たまたま安く手に入ったのもあるし、コレをハイピッチにして使うのがthe MDK'sには合っていたと思う。今でもメインスネア。

 それからPaiste2002の20インチMedium。コレも70年代のヴィンテージ、所謂黒ロゴで、なんとなく気合いが入るラインナップに。ペダルはこの時期からDW-500をメインにしはじめる。
 Paisteの使い方には暫く悩んだ。20インチだからライドとして使うのが普通なんだけど、紆余曲折の末コレをメインクラッシュに起用したら気分にジャストフィット。これ以来、俺は左手側に大口径シンバルを置くというスタイルを守り続けている。もう16インチじゃあ満足できない身体になってしまったな。

 それ以降もシンバルは徐々に買い足す。Paiste2002の18インチMediumと20インチRideの時期を経て(上画像はこの時期のセッティング)、ライドは最終的にMaster Worksの22インチに落ち着く。メインクラッシュが大きいからライドも相応じゃないと釣り合わなくなってきたのだ。コレはジャズ向けの薄いモデルで、クラッシュ的にも使えるので重宝している。Giant Beatか2002の24インチは憧れるけど、使いこなせる自信はないな。22で充分。

 ハイハットはPaiste Giant Beatの15インチを一時期使っていたけど今はあまり持ち出さない。スタジオやライヴハウスのをそのまま使うことが多いな。2002かなんかのサウンドエッジのボトムが手に入ったら再起用しようかと思っている。

 ペダルはもっと紆余曲折して、Ludwig Speed Kingは最初に買ったヴィンテージ、と言うよりボロを途中放棄し現行品新品を入手するもイマイチ使いこなせず。借り物のパールのエリミネーターもしっくり来ず、TAMAの安いモデルも一時期は持ち歩き用に使っていたけど、今は結局軽量モデルとしては最近中古で買ったCamco、メインは結局DWに戻った。

 スネアはやっぱりスープラフォニックなんだけど、時々TAMAのバーチ(Starclassic Performer)も使う。ハードオフで安物のスネアを二つほど買ったけど、コレはお遊びレベル。12インチの小口径スネアは酷い音だったけど、ヴィンテージっぽい見た目の14×5のスネア(木材、何なんだろう。異様に軽い)はチープな感じを狙うときにはいい感じ。結構好きなのでたまーに使う。

 そのほか、パーカッション類を言い始めるとキリがないから紹介はこの辺で……。

2014年2月1日土曜日

Another Day

 何かの本で読んだのかな。「ポールがAnother Dayをやる時はバンドの調子がいいとき」という話。確かにこの曲、シンプルなようで凄く難しい。ってか、ニュアンスを出すのが難しいんだよね。譜面上に見える微妙な変拍子とか、そういう話じゃない。あの独特の、クールで可愛らしい雰囲気。あの感じがそう簡単には出ない。だから、ライヴで演るというのはよっぽどのことだ、という話になったんだろう。
 例によって、ちょっと繰り返しが多すぎるかな、と言う気がするのはご愛敬。もう1コーラス短くても良かった気がするけどね。ポールの曲はいつもそうだ。
 Ramのセッションで録った曲で、コーラスも重要だし、ワリと女性目線な曲のテーマ的にもこの曲におけるリンダの存在って重要だと思うんだけど、何故か「ポール・マッカートニー」名義の、最初のソロシングルとして出ている。ポール&リンダ・マッカートニーにしなかったのは、商売上の理由?

 ニール・イネスが大胆だったのは、1975年、つまり既にポール・マッカートニーその人が同名の曲をリリースしているのにもかかわらず、ビートルズのパロディ作品にAnother Dayと名付けたことだろう。
 この曲はMartha My Dearのパロディであり、つまりポールの曲のパロディでもあるのだ。わざとやったのか偶然か。ヒット曲と同名を付ける偶然も無いと思うが、わざとやったにしては存在感が地味だ。そして、同名曲とも、元ネタ曲とも共通してラットルズのAnother Dayも非常に可愛らしい曲である。Martha My Dearより可愛いかも知れない。いや、Another Dayより可愛いかも知れない。

 私立恵比寿中学にも同名の曲があると聞いたのはそんな話の流れからだっただろうか。ポリシックスのハヤシとフミが書いた曲だ。俺は個人的にハヤシの声があまり好きでなく、カヨの脱退を非常に残念に思っていたクチなのだけど、彼らの楽曲そのものは好きだ。そんな曲を全編可愛らしい女の子の声で聴ける、というのはなかなか素敵なこと。特に、ほぼメインとも言えるパートを歌う子のへろへろのヴォーカルが素晴らしい(残念ながら4月で脱退するという)。
 サビ前のブリッジの部分(まだ寝ない〜云々のフレーズ)は明らかにゲイリー・ニューマンのCarsからの引用。ハヤシの作曲であのメロディ、まさか意識してなかったとは言わせないよ。
 勿論、この曲も非常に可愛らしい曲だ。Another Dayという曲は大抵可愛い曲だ、と言うコトがよく解る。

 でも、やっぱり可愛い女の子の歌うAnother Dayよりニール・イネスが歌うAnother Dayの方が可愛いかもなぁ。