
ゴスペルという短編ドキュメンタリーは、主に日本人の視点で、どうしてキリスト教国でない日本でゴスペルと言う音楽が受け入れられているのか、という点に迫った内容なのだけど、観た感想としては「結局よくわからない」というものだった。
前半では、日本でゴスペルが流行りだした切っ掛けと、その伝播について、日本のクワイアの指導者たちのインタビューで語られる。その流れで、実際にクワイアに所属し、ゴスペルを歌う若者たちの短いインタビューも挿入されるのだけど、彼らは口々に「自分はクリスチャンじゃないし、宗教は解らないけど、歌で自分を表現してみんなで感動したい」ようなコトを言う。コレはある種意図的に、「本質(=信仰)が抜け落ちたゴスペル」という特異な日本ならではの状況を見せ、それを空虚なものとして描いている、という風に俺は解釈した。
で、この後米国で活躍する日本人ゴスペル歌手の活動の様子とインタビューや、教会所属のクワイアが施設で歌う様子、それに米国の、幼少時からゴスペルに触れてきた女性のインタビュー、そして再び国内の指導者たちへのインタビューで、信仰と音楽の関わりや意味と言ったものの重要さを見せていく。

終盤には前半部の若者たちのインタビューが繰り返される(同一の映像を含む)のだけど、監督の意図はここで、前半部で空虚に響いた彼らの言葉が活き活きした音楽賛歌に聴こえる、というようなものだったと推測しているのだけど、残念ながら、俺には結局空虚なまま、前半部での印象と全く変わらないものに聞こえた。
結局Amazing GraceやOh Happy Dayを歌うシーンが一番印象的だったかなぁ。
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