2014年4月29日火曜日

Pretty Things

 とにかく、プリティ・シングスは所謂ビート系のバンドとして紹介されることが多く、なんとなく1stとGet the Pictureだけ聴けば充分見たいに思っちゃってる奴が多々いるのが現状。そうなると、世間一般ではプリティズのメンバーと言えばフィル・メイ、ディック・テイラーとともにヴィヴ・プリンス、ブライアン・ペンドルトン、ジョン・スタックスというラインナップだ、という「誤解」が非常に多い。

 ふざけんじゃねえぞ、と。

もうコレは酷い話になるけど、俺が今回主張したいのは「ペンドルトンとスタックスのことは忘れろ」ということだ。場合によってはヴィヴも要らないかもしれない。とりあえず初期メンバーならメイとテイラーだけ覚えとけば充分。後の3人はおまけ。そんな奴らいいから、中期のメンバーを覚えろ、と。

 メイ、テイラー以外で最重要メンバーは言うまでも無く、まて、誰だトゥインクとか言ってる奴は。トゥインクもちょっと顔出しただけのおまけだ。ヴィヴとセットくらいでいい。重要なのは言うまでも無く、ウォーリー・ウォーラー(左から二人目)だ。

 ウォーリー・アレンだったりウォーリー・ウォーラーだったり、挙句に脱退後にはエイサ・ジョーンズ名義で参加したりしてるからややこしいけど、この人がEmotions〜Freeway Madness及びCross Talk以降の音楽性を支えた、と言って過言ではない。プレイヤーとしてもベース、ギターで活躍し、特にParachuteではメイと双頭のリードシンガーとしても大活躍。プロデュースも手掛けたり、音楽的には最重要と言っていいだろう。その独特のだみ声は中期プリティズのトレードマークの一つ、とまで言ったら、言いすぎ?

 そしてもう一人、サウンド面の「実動隊」と言えるのがジョン・ポーヴィ(一番右)だ。この人のピアノが俺はもう本当に大好きなのだけど、鍵盤類以外にもシタールにパーカッション、挙句にトゥインク不在時には多くの曲でドラムも担当。ウォーリーほど目立たないが3人目のシンガーとして、ハーモニーの要としても活躍。EmotionsからBalboa Islandまで在籍し続け、後期はメイの片腕と呼んでも良かったと思う。

 そしてスキップ・アラン(右から二人目)。プリティズのドラマーとしてメインなのはこの人。ヴィヴもトゥインクもゲストみたいなもので、既にGet the Pictureのレコーディング中には参加、S.F. Sorrowで一時脱退するもののすぐに戻ってきて以降、Balboa Islandまでビートを支え続けたのはこの人だ。キャラ的にはほかの二人が狂人ドラマーなので目立たないけど、堅実さと乱暴さが共存した好きなプレイヤー。流石に近年は衰えが隠せなかったけど……

 とりあえず初期メンバーたちのことは忘れて、この3人が重要だと思ってほしい。再結成時もこの5人(+フランク・ホランド)だったしね。あとまあ、余裕があればピーター・トルセンあたりは覚えていただけるとファンとしては嬉しいですな。それからジャック・グリーン、スチュアート・ブルックス、ゴードン・エドワーズ、ヴィクター・ユニットとか……まあこの辺は初期メンバーと同じ程度の扱いで(ひどい)

2014年4月27日日曜日

John Lennon

だいたい自分の性別や性欲を上手くコントロールできる奴がわざわざ音楽なんて(ロックなんて)やらないのかもな、って思ったり。

 レノンが自分の声を嫌ってビートルズ時代にやたらエフェクトかけたがったのは有名。そんなことを思い出したのはTight A$をなんとなく聴いていたときに「ああ、やっぱりこの人は素直に鳴らすとどうしようもないくらい色っぽい声だなあ」と思ったからで、この曲とAll I've Got to Doでの声に同じ色気を感じたのね。約10年経っていて、その間(66年頃から)そのエフェクト時代を挟んで、多分エフェクト使わない時でも、Revolution 1の録音の時みたいにいろいろ声を変える方法を試してると思うんだけど、結局73年の時点でもその色気は全然衰えていない。声の本質は変わっていない。それはとても素晴らしいこと。本人は嫌がっていたとしても。

 話が気分の方向に流れたけど、要するにレノンは自分の声の「色気の成分」が嫌いだったのかなあ、とも考える。レノンも本質的に軟弱なくせにマッチョな方に向かいたがるタイプで、タフなイメージのロックンローラーには多いと思うんだけど、そういう人だからその「色気」はある意味で邪魔だったのかもしれないなあ、とも思う。勿論レノンの声から醸し出す「色気」はあくまで男のそれで、女性的な要素を含むわけではないのだけど、レコーディング中、プレイバックを聴いたりして「俺の声軟弱だなあ」とか思ったりしたのではないか、という気もする。

 やっぱりヨーコと出会って、JuliaやMotherを歌って、自らのマザコンを認めた、ってのはすごく大きいのは言うまでも無くて、その辺(ホワイトアルバムのレコーディング中くらい)から「声を変える」ということへの拘りが無くなっていくんだよね。まあ、ビートルズ自体がサイケ時台から抜け出して実験的サウンドの追及をやめた、というのも当然重なるから一概には言えないけど。でもこういう偶然の重なりって、不思議なくらい意味があるものだから。俺は関係があると思っているんだけど。俺自身がマザコンだから、それを認めて意識が変わった時期があるからそう感じるだけなのかな?

2014年4月25日金曜日

The Pretty Things Philippe Debarge


 Pretty Thingsのファンとしては相当遅ればせながら、ではあるのだけど、69年にフランスの資産家Philippe Debargeのバックをやったアルバム(当時未発表)を買ったのだ。要するに、S.F. Sorrowが(商業的に)コケて貧乏暮らしだったところに「お金やるからボクちゃんのバック演って欲しいザマス」って、おフランスのお金持ちに札束でほっぺたひっぱたかれたのでこの狂犬達はキャンキャン言いながら尻尾振って適当にやっつけてみせたのだった。

 えーと、多分嘘で、メンバーはそれなりにデバージに対する想いがあるはず。アルバムのラストにはメイとウォーラーがデバージに献げた曲(08年録音)が新録されている。

 メンバーはS.F. SorrowとParachuteの中間期で、ディック・テイラーが抜けてヴィクター・ユニットが入ったけどまだトゥインクは時々顔出してるよ、って感じ。当時録音の12曲中4曲でトゥインクが、残りの8曲ではジョン・ポーヴィがドラムを叩いている。また、3曲は同時期のEven More Electric Bananaでも演奏している曲で、そういう意味ではPretty ThingsというよりElectric Bananaの番外編と言ってもいいかも知れない。

 68〜69年ってやっぱり美味しい時期で、それなりの「らしい」音が充分に聴けるし、デバージのヴォーカルも線は細いがアコースティック寄りのサイケサウンドとの相性は悪くない。それにメイ、ウォーラー、ポーヴィがいつものハーモニーでバックアップしてるから、聴いてて心地よいし、ああ、やっぱプリティズだなあ、とも思えるし、例えばEven More Electric Banana聴き終わって「もう少し聴きたいなあ」と感じたときに丁度いい感じだ。

 それから特筆したいのは、プリティズのヴァージョンはBBCライヴでしか聴けないSend You with Lovingを演っていること。アレンジはほぼ同じだから、これをシンガーが違うだけのスタジオヴァージョンとして聴けばよい。ドラムもトゥインクだし。

 とはいえ、それなりに手抜き作品であることは間違いなくて、特にトゥインクのAlexanderでのプレイをElectric Bananaやプリティズ本体のライヴと聴き比べると「あー……」って気分になるからよくわかる。ってか、トゥインクが叩いてないのかな、あっちは。でもお前ポーヴィより地味なプレイってこと無いだろ、っていうね(笑)。

 ちょっとした、のつもりが普通にレビューになっちゃったな。

2014年4月23日水曜日

Black Sabbath / Born Again

このアルバムのジャケを会社のPCの壁紙にしていたら先輩から「怖いからやめてよ!」と言われた。仕方がないので1stのジャケを壁紙にしたら「それも怖いよ!」と言われた。

 サバスの皆さん、ロックファンじゃない一般の方々にもちゃんと伝わってますよ。

 素晴らしいエピソードはともかく、「お勧めは出来ないけど愛おしいアルバム」とはコレのことだ。流石に「いやー、コレはねえわ」って声が聞こえる気もするんだけど、でも近年は微妙に再評価されてるような気もする。しませんか。

 「ブラック・サバスとイアン・ギラン」ってまあ、誰がどう考えても食い合わせが悪くて、「失敗するだろうなあ」って思ってたら案の定失敗した、っていう、全てが予定調和って言うのもまた素晴らしいんだけど。もうね、一個も化学反応が起こっていないのね。またこの時期よりによってドラムがビル・ウォードに戻ってるもんだから、サウンドはもう紛う事なきブラック・サバスなんですよ(Dio期を通過してるからメタル濃度は増しているけど)。で、ご存知の通りヴォーカルは紛う事なきイアン・ギランで、コレが一切調和しないまま最後まで行っちゃうのね。なかなか凄い光景が繰り広げられてるんだけど、繰り返し聴いてるとどういうワケだかクセになる。

 曲のクォリティは良いんですよ。Zero the HeroとかHot Lineとか、俺凄い好きなんだけど、それがこのアルバムの魅力か、ってーと違う。じゃあ何だ、と言われると、レビューとしては最低の結論なんだけど「説明不可能」っていうね(笑)

 だって全然わかんねえんだもん。何がいいのかさっぱりわかんねえんだよコレ。ってか、もう明らかに良くないのよ。「混ぜるな危険」っていうかさ、混ぜるなどころか混ざってないんだけどね。ギランが終始浮きっぱなしなの。それを誰もどうにかしようとしてなくて、そのまま放置してたらなんだか良くわかんないものが出来ちゃったんだけど、一部感性の間違った人には「あれ?コレ良くねえ?」って思わせちゃって。いや、良くないから。

 こんなアルバムのデラックス盤(リマスターしてるはずなのになんでこんな音が細いんだろう)出すユニヴァーサルも酔狂なんだけど、コレに83年レディングのライヴが入ってるんだけどね、もうギランがParanoidやIron Man歌ったりサバスがよりによってSmoke on the Water演っちゃって「あちゃー」なんだけど、逆にここまで間違ってると変に安心するってーか、アルバムの持ってる不思議な間違い感は、無い。ドラムがベヴ・べヴァンになった分バックのサバス濃度が薄れた分調和度が増してるのかも知れないね。

2014年4月22日火曜日

Black Sabbath / Never Say Die

  「サバスのアルバムでお勧めは」と訊かれたら、そりゃあいくら俺がアレな性格だからって流石に1stかParanoid、またはMaster of Realityあたりを挙げるのだけど、「お勧め」を取り払って「好きなアルバムは」と訊かれたらまず挙げるのがNever Say Dieだ。

 捻くれてるつもりはないんだ。俺だって、コレとTechnical Ecstacyは「聴かなくていいアルバム」扱いでもうホントに近年まで無視していた。でも、俺のこういう「ひとの評を素直に聞く」パターンは大概間違いなのね。長年Japanの初期作を聴かずにいた愚をここでも犯していたわけ。

 Rock 'n Roll Doctor(フィートの同名曲とは勿論別物)やIt's Alright(ビル・ウォードが出しゃばって歌う曲)を収録したTechnical Ecstacyも良いのだけど、俺がガツンと来たのはオジーが参加した最終作、Never Say Dieの方だった。

 なんていうかな、ポップなんだよね。この軽さは、確かにサバスのファンには歓迎すべき物じゃないのかも知れないけど、俺は特に「○○らしさ」なんてものを求めて音楽聴かないから。俺の耳に入った物を俺が気にいればソレがよい音楽なのね。で、このアルバムはそういう作品だった。サバスらしくはないんだけどさ、実はさっき気付いたんだけど、何処かQuoっぽいのかな、って思った。ハードロックなんだけどあんまり重くなくて、ポップで、親しみやすい。

 タイトル曲やJohnny Blade、Swinging the Chain(またしてもビル・ウォードが出しゃばって歌う曲)あたりが好きなんだけど、一番大好きで、ってかサバスの全楽曲中でもChildren of the Graveと並ぶくらい好きなのがHard Roadだ。

 タイトルはたまたまパープルっぽいケドそれこそQuoっぽいポップでハードなブギーで。メロディが良いんだよね。で、いい意味で曲が無駄に長い(笑)たいしたこと演ってないクセに長い。普通はコレを「冗長」って言うんだけど、ってか、多分俺以外はコレを冗長って呼ぶんだけどさ(笑)いや、俺はなんか、嬉しいんだよねー。延々この曲に浸っていられる喜びを感じる。

 で、サバスにはもう一枚「お勧めは出来ないけど愛おしいアルバム」ってのがあるんだけど、それは別途紹介しましょう。

2014年4月19日土曜日

Manic Street Preachers / Rewind the Film

Twitterをはじめて、何故か周囲にマニックスのファンが多いことに気づいて。

 俺自身は、デビュー直後、最初聴いたのはStay Beautifulかな。それからすぐにYou Love Usを買って、この2曲は本当に大好きで、最高に格好良くて、遡ってMotown Junkが手に入らなくて探しまくっていたら国内盤のStay Beautifulに入ったから曲ダブりまくるのも構わず買って、結局今でもこの3曲が圧倒的に好きなんだけど。

 でも次のLove's Sweet Exileがあまりピンと来なかったのと、ビッグマウス発言の数々に面倒臭くなって、結局アルバムが出るころにはあまり魅力を感じなくなっていたんだよね。パンクスのくせに「2枚組のデビューアルバム」ってのもなんとなく気に入らなかった。コンパクトなシングルで魅力を爆発させてる感じに俺なりの「パンク」を感じていたんだろうな。そこで「2枚組」とか言い出したし、「世界中でナンバー1にして解散する」とかもう(悪い意味で)馬鹿っぽくてうんざりしちゃった。そうこうしてたらリッチーの失踪事件とかあって、なんとなくそういう事件を契機に、ってのが苦手なので聴くタイミングを逃したまま、20年経った。

 その間にマニックスはパンクだったのかよく解らないくらい英国の国民的バンドに成長した。その姿にはむしろ良い印象を持っていたけど、ブラー同様あまり積極的に聴くことは無かった。

 そういうわけで、20年ぶりにマニックスを新譜として聴いた。

 まあ、マニックスファンの皆さんお解りの通り、今作Rewind the Filmは結構微妙な作品だった。曲はいいんだよな。でも、ゲストに歌わせてるのがどうにもパッとしない、というかなんか焦点が定まっていない、という感じで。マニックス好きの奴に言わせると「ジェイムズの声で聴きたかった!」とのことなんだけど、思い入れが無い俺が聴いてさえそう思えるのだからファンが聴いたら尚更だろう。

 それで、ふと思い立った。デラックス盤には全曲のデモが入っている。これはどうなのかな?

 パッケージ版は結構高いのでiTunes StoreでDL購入して聴いてみた。いや、もうコレがドンピシャで。デモだし、アコースティック色が強くて地味だし、勿論プロダクションも弱い(当たり前だ)んだけど、曲の魅力が圧倒的にストレートに迫ってくる。ああ、これなら大好きだ。多分今のマニックスはこういう感じで、You Love Usからは結構遠いところに来てるけど、コレが魅力で、俺にもコレが素直に入ってくる。

 しかし、気合い入れてアナログで買ったのに、結局iTSで買ったデータばかり聴いてる、ってのは悲しいことでもあるよなぁ。

2014年4月13日日曜日

Trio Valore / Return of the Iron Monkey

 トリオ・ヴァロアからいつの間にかシーマス・ベーゲンが抜けててびっくりした。

 だったら何がトリオ・ヴァロアなのかよ、と。

 タルボット&ホワイトからヨランダ・チャールズが抜けてデーモン・ミンチェラが入ったのがプレイヤーズ。プレイヤーズからミック・タルボットが抜けてシーマスが入ったのがトリオ・ヴァロア。トリオ・ヴァロアからシーマスが抜けて新しい鍵盤入ったのもトリオ・ヴァロア。

 そんな新体制の新譜(EP。現状配信のみか?)が出た頃、トリオ・ヴァロアの1stをアナログで聴いている。

 前述の通り、ホワイティ、デーモン、シーマスのオルガントリオ。音楽の方向性としてはT&Wやプレイヤーズの持っているジャズファンクっぽい傾向は後退し、どっちかっていうと所謂モッズ風の、要するに少しレトロな、ジャズでもなくR&Bでもなく、適度に心地よくも微妙に居心地の悪いサウンド。シーマスのオルガンはミックに比べて色気にも暴力性にも欠けていて、良くも悪くもオールラウンダーって言う感じ。セッションマン体質なんだろうね。だから今ひとつロックを感じないんだよな。

 カヴァー曲が多いのも特徴で、ミーターズ、ストーンズ、JB、MG's、ジミー・マクグリフ、エイミー・ワインハウス(!)、ロニー・スミス、そしてヘンドリクスという選曲。アレンジはどれも悪くはないんだけど強烈に格好良いというわけでもなく、なんというか……おかしいな、好きだからレビュー書こうと思って、久々に聴いたら酷評にしかならない。気持ちよいのは事実なんだよ。でも、なんてーかな、煮え切らない。志が低いって言うか。高円寺レベルって言うか。

 うん、UFOクラブででも演ってればそれなりにウケるんじゃないかな。

2014年4月8日火曜日

Status Quo / Bula Quo

Status Quoが映画に?しかも音楽映画じゃなくて、なんか演技するらしい。舞台はフィジー?なんだかさっぱりわからん。Flantic 4ツアーの記録映画っていうなら話はよくわかるのだけど、なぜ今こんな企画。理解の範疇を超えたある種の怪現象。

 サントラにあたるアルバムも当然というべきか、南国ムードの漂うサウンド。タイトル曲なんか南国パーカッションバンドとブギーの融合って感じで面白いと言えば面白いのだけど、まあQuoのアルバムとしては微妙だわな……

 っていうのが、最初の感想。それが、何回か聴くうちに徐々に良くなってくるから面白い。

 Matt Letly加入後(Heavy Traffic以降)のQuoは基本的にクォリティが高いアルバムを作ってきてはいたけど、でも「老人にしては威勢のいいロックンロール」という路線が延々続いてワンパターンな印象に陥っていたのも事実(今更Quoにワンパターンとか、っていう意見には積極的に反論したいが、今回の論旨ではない)。それが今回、強引に取りこまれた「南国感」というファクターによってうっかり新鮮味を得てしまった、というのはあると思う。

 それと、何故だかヴォーカル面でライノの存在感が強くなっている、というのも新鮮味の一因。RIFFS以降ちょろちょろリードヴォーカルも取るようになっていた彼が、今回もリードこそ一曲ながらコーラス面でなんだか目立っている(実際には全曲で大活躍!というレベルではないのだけど)。それがなんとなくQuoの音に新しい味付けをしてるように聞こえてしまったんだな。少なくとも俺にはね。

 その結果、個人的には前作Quid Pro Quoより遥かに良い、というより「楽しい」アルバムとして聴けるようになってしまった。Quid〜は悪いけどなんか飽きちゃって聴き込もうって気もしなかったんだよな。今回は聴くにつれじわじわ楽しくなっていく。いいアルバムだと思う。

 ディスク2のライヴコンピレーション(過去のライヴ盤からの抜粋が主で、新録はあまりない)はちょっと蛇足かな。Living on an Islandのニューヴァージョンは楽しいけど。