2012年10月9日火曜日

Cookin'

いや別に初挑戦というわけではない。以前Quo Army Japanのイベントで2回ほど新宿のロックバーで回させてもらった。それにUstでPCDJの配信もしている。完全初DJではなかった。でも俺の中では「初DJ」という気持ちが大きかった。

  QAJのイベントはまず客が殆ど「身内」というか、少なくともStatus Quoが好きということははっきりしていて、だいたいの嗜好も解っていた。特に1回目はQuo縛りということもあって、選曲に、というか「何をかければいいか」で悩むことは無かったし、緊張することもなかった。

  だが今回は、主催者の一人けんちゃん以外は基本的に会ったこともないし、他のDJや客の嗜好も解らない。モッズバーでの開催ということでだいたいそっち方面ということは解るのだけど、それはそれで選曲のかぶりが怖い(あとで杞憂だったことが分かった)。
 それに加えて今回は「全曲7インチで」という自分内での縛りを作った(そうしないと拡散しすぎるのも理由)から選べる曲は限られる。アルバムトラックは使えないから必然的にベタな選曲になる。さて、コレで果たして大丈夫なのか…? 

 結局本番三日前におおまかなリストを組んで、iTunesで同内容のプレイリストを作って聞こえ方を確かめる、という俺にしては慎重な準備をして、いざ本番。10/6土曜日、渋谷Bar Faceにて、reeaさんとけんちゃん主催の「Cookin'」初参戦である。 

 俺の出番はトップのけんちゃんに次ぐ2番目と、深夜2時ごろにもう一回。最初20分、後半30分の2セット。1回目の前に一杯だけ呑んで踊ってたらおっきーさんが来て「緊張してるようには見えない」と言う。確かに緊張、あまりしてない気がしてたんだ、この瞬間は。

 ところがいよいよ本番、ブースに入ってレコードを準備してたら、何だ俺、足が震えている。「えーっ!?俺ってこんな緊張するの!?」と驚きながら1曲目をターンテーブルに乗せる。いきなり33回転のまま7インチをかけるという大失態。もう焦る焦る。でも知らんぷりして、踊って誤魔化す。選曲はこんな感じだった。

Middle Of The Road / The Pretenders
Kick Over the Statues / Redskins
Spin It On / Wings
She Don't Fool Me / Status Quo
Pulling Muscles (from the Shell) / Squeeze
Undercover of the Night / The Rolling Stones

  元々考えてた流れから、DJの一人がQuo好き(!)というのと、おっきーさんがくるというので急遽変更を入れて、その都合で本来A面のGetting CloserをかけるつもりだったのをSpin It Onに変えて…とか、まあその場で考えたにしてはギリギリOKだったような。特にスクィーズが凄く受けていて、これで少し緊張がほぐれたかな。

  で、この後のDJの皆さんがまた。俺はそこそこマニアックな音楽ファンだけど、いつも余所でいろんな人に会うたびに「まだまだだな」と思うのだけど今回もそうだった。なんでみんなシングルばかりかけるのに俺の知らない曲ばかりなんだ。凄い。しかもどれもこれも最高な曲ばかりでな。楽しすぎて体が全然休まらないのが大問題。だって踊ってないと勿体なくて…。 

 パンダさんのジーノ・ワシントン、あと全然知らなかったスキャッフォルドのカヴァー、Kantaさんのデイヴ・パイク(特にこの人の2回目はやたら熱かった)、ELO周辺専門あすかさんの10538 Overture、レイさんのShout、My Boy Lolipopあたりは特にツボだった。Morrieさんが最後の方でかけたデニー・レインも感涙。酔っぱらった(?)けんちゃんのフェイシズ&BCRオンリーセットもシンプルに楽しかったな。 

 ライヴもあって、Freedom Suit Folk Club(名前はTSCのWalls Come Tumbling Down B面から採った疑惑あり?)という3人組。アコースティックだったけど特にキンクス「キザな奴」のカヴァーが盛り上がった。最後はTSCのMy Ever Changing Moodsで、俺も勝手に膝ドラム(笑)で乱入。コレで彼らと打ち解けた(笑)ヴォーカルの山下さんとはTSCとかウイングスについて熱く語り合ってしまった。

  俺の2回目のセットは少し押して2時半前くらいから。1回目は80年代をコンセプトにして、これが全体から浮きまくっていたので2回目は本来の予定の90年代セットを変更せずにゴリ押しする。今度はもうリラックスして(最初ヘッドフォンから音が出なくて難儀したけど)回せた。2回目のセットはこんな感じ。

Uh Huh Oh Yeah / Paul Weller
I Believe / EMF
What The World is Waiting For / Stone Roses
Soon / My Bloody Valentine
Loaded / Primal Scream
Wild Blue Yonder / Paul Weller
She Bangs the Drums / Stone Roses
Right Here Right Now / Jesus Jones

  ホントはOCSのBetter Dayをかけるつもりが忘れてきて、急遽Roses2曲目が登場。今回はLoadedが受け良かったな。60年代趣味だと思ってた人が「EMF懐かしい」とか言ってたり、面白かった。やっぱりこういう場で異質なことをやるのは楽しい。

  この後いきなりDave Pikeのマタールを7インチで回されて大興奮だったんだけど、さすがに疲れてしばらくカウンターで半寝で死んでたらけんちゃんがやってきて「もう1セットできます?」と。タイムテーブルに3時以降何もないな、と思ってたら普段はお客さんにレコード持ってくるように頼んでるらしい。今回はその告知してなくて、一人ニューウェーヴ主体で数曲回しただけで(けんちゃんの友人のマンテさんって人だと後で判明)、最後けんちゃんと俺とMorrieさんで少しずつ回した。このラストのセットは4曲だけで以下の通り。

 Whatever You Want / Status Quo
Come Dancing / Kinks
(When You) Call Me / Tracie
Blow Away / George Harrison

  まあ手元に残ってたのをかけただけ。でもCome Dancing受けたなあ。凄い踊ってくれる人がいてうれしかった。あと山下さんがいきなりトレイシーに反応したのも凄かったな。これ知ってる人いないと思ってた。神戸で入手したジョージもかけられて満足(本来1stセットで回そうと思ってた)。 

 パーティは5時で終了したけど、その後しばらくけんちゃん、山下さんとTSC談義。凄い話も聴けて満足しながら帰途に就く。流石に翌日は一日死んでたけど、いや、去年の808以上にストレス飛んだね。8時間近く音楽浴びっぱなし踊りっぱなしその間一瞬たりとも退屈無し。また行きたい。また参加したい。そして、また回したい。病みつきだ俺。