2014年9月16日火曜日

Robert Plant / Tall Cool One

背景として当時ビースティー・ボーイズらがZep(というか、When the Leevie Breaks)をサンプリングしたり、当時のヘヴィメタルバンドらがZepを意識した曲(パクリに近いとさえいわれ、ゲイリー・ムーアがLed Clonesなんて曲を書いたりした)をリリースしたり、っていう、要するに実際にはZepの再評価なんだけど、何故か当時ネガティブに取られる面があったりして、それに対する本人からの回答、っていう位置付けでもあった。少なくとも、世間はそう解釈していた。

 パーシーのやり方は圧倒的にスマートで、要するに「じゃあ本家の俺がLed Clonesやってやるよ」というもの。しかもその「本物度」を上げるべくギターはペイジに依頼。リフは基本的にThe Train Kept a Rollin'の引用で、そのクローンぶりもマニアック。同曲のZepヴァージョンはいまだに正式リリースされていないから、遂に登場した、という捉え方もあるわけ。

 そしてヒップホップ勢にも「回答」するのを忘れない。彼らはボンゾのドラムをサンプリングしたけど、パーシーはリフやヴォーカルのフレーズをサンプリングして使って見せた。登場するのはWhole Lotta Love, The Ocean, Custard Pie, Black Dogなど。それに加え、ちゃんとヒップホップの「バイブル」であるWhen the Leevie Breaksからヴォーカルフレーズを引用(サンプリングではない)するのも忘れない。ギターがベンドしていくフレーズもDazed and ConfusedかWhole Lotta Loveか……って感じだし。

 この曲の立役者の一人として、ペイジ、パーシーとともに重要なのがアルバムのプロデューサーでもあり、当時のバンドでキーボードを担当もしていたフィル・ジョンストンの存在は忘れちゃいけない。共作者であることは勿論、サウンドメイキングにも深くかかわったはずで、上記のサンプリングは彼なしに為し得なかったと思われる。で、そんな彼がブレイクではなんとヴォーカリストとしてもフィーチャーされているのがこの曲の面白いところ。Summertime Bluesのジョン・エントウィッスルを思い起こすような低音ヴォーカルを聴かせているんだけど、この部分、ライヴではカイリー・ミノーグのI Should Be So LuckyやZepのBlack Dog(そこから更にメンバー全員でThe Oceanのハーモニーに突入!)の歌詞を引用して聴かせたりするのだ。

 ライヴと言えばエンディングのサンプリングリフから本当にCustard Pieに突入。これもZepのライヴでは全くプレイされなかった曲だから嬉しいんだけど、同時期にペイジもOutriderツアーでこの曲(こっちはフルで)演っていたのも面白かった。まあ、こういう状況だし偶然ではないのかもね。

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