2014年10月2日木曜日

ゴジラ

 にわか映画ファンはサブカルかぶれのマニアック臭いヨーロッパや南米映画ばかり観ているわけではない。

 「国民の義務だ」と主張する友達がいるのでゴジラを観に行った。とはいえ、今回のゴジラは米国産の為、義務だとしたらアメリカに納税していることにならないだろうか。やはり日本はアメリカの属国なのか。

 とはいえ、前回のパサパサしてそうな米国産ゴジラと違い今年のゴジラはいかにも脂が乗っていて旨そうだ。国産ものほど繊細な味わいは期待できないだろうけど、味わってみて損は無いと思ったのは紛れもない事実。そしてこのネタが定まらない感じはツイッターで書き散らかしたネタを無駄に再構築しているからに他ならない。

 余談だが「養殖ゴジラ」とはジラースのコトである。

 さあ、書きたいことは書いた。あとは映画の話。とはいえ、この映画何を書いてもネタばれになるので観てない人は読まない方がいいかもしれない。警告は書いたぞ。さあ、はじめるぞ。

 結論から書くと、うん、凄く面白かった。突っ込みどころは山盛りで、パシフィック・リムで突っ込んだところをもう一回同じ突っ込みしたくなる部分さえあったけどもうコレはレジェンダリー・ピクチャーズのお家芸と認定してもいいんじゃないかな。MUTO♂=オオタチ、MUTO♀=レザーバックって気分になる部分もしばしば。

 相変わらず核の扱いがぞんざい(ラストシーンなんか特に)なのはまあ米国産レジェンダリー印としてやむを得ない。「アナログ回路だから電磁パルス攻撃されても動作する」ってパターンも繰り返されたけど、「原子力はアナログ」と言う無茶苦茶な設定からちゃんとしたアナログタイマーを設定するというところまで科学考証のレベルが向上したのは認めたい。

 目先の獲物に留めを刺せばいいものを背後の気配に気を取られ逃げられる、というパターンもまたパシリムにもあったけど、これは突っ込みどころというより「王道」と捉えるべき。主人公が異様に運が良くて丈夫、ってのもしかり。ヒーローもの、怪獣ものでは「恰好よいと判断される現象はすべてに優先されなければならない」と言う法がある。それに従って作られているだけでも今回のゴジラは圧倒的に正しい。

 ただ予想と大きく違ったのは、俺はこの映画、初代ゴジラトリビュートだと思ってたのね。過去の「第一作」がそうだったように。だから、MUTOは序盤でゴジラに倒されて(多分捕食されると思っていた)、後半は米軍+芹沢博士がいかにしてゴジラを倒すか、っていう内容になると思ってた。そして勿論、初代芹沢博士と同様に渡辺建もゴジラと刺し違えて太平洋に散ると思っていた。

 そもそも渡辺建は主役でも何でもなくて、要するに「驚き&解説担当」だったというね。そして映画そのものは事実上「ゴジラ対ムートー」だったというね。しかもゴジラの動機はよくわからず、結果として「人類の味方」としてMUTOを倒し、格好良く太平洋へ去っていく、というラスト。正直「えぇーっ!」と思ったけど、そう思いながらその「えぇーっ!」って気分にさえ満足してる自分がいる。

 つまりこれは、昭和初期ゴジラのトリビュートと言っても良い映画だったわけだ(平成ガメラという意見もネットには散見されたが、俺は観てないので解らない)。

 で、やっぱり面白かったんだよ。映像はもうひたすら圧倒的で、ゴージャスで金かかってて凄いし全編が見せ場になってるから飽きてる暇も無いし、ゴジラやMUTOの演技も申し分ないし、CGのモンスターというより着ぐるみの怪獣だからゴジラ映画だし、子供も出てくるから怪獣映画だし、軍隊は役立たずのくせに格好いいから怪獣映画だし、なんかアレだな、ちゃんと「観たかったもの見せてくれた」って感じかな。

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