2014年10月16日木曜日
Led Zeppelin / Immigrant Song
「移民」と「Immigrant」の音の一致は素晴らしいながら置くとしても。
Zepの代表的ハードロックヒットとして聴かれているこの曲だけど、14年リマスターを聴いてなんとなく正体が分かった。ある意味でこの曲、Kashmirの先祖的な位置づけでもいいんじゃないだろうか。
パーシーが北欧神話をモチーフに詞を書いたのはてきとうにやったワケじゃなくて、やっぱり曲の持ってるエキゾティックな、ケルティック、なのかな?そういう響きを読み取ったが故、なのは言うまでもない筈。イントロの咆哮(?)だってそういうメロディラインだし、レコードのヴァージョンには出てこないペイジのギターソロもどこかエキゾティックなメロディ。基本テーマとしてそういう方向性がはっきりあったことは間違いない。
そう思って聴くと、実はリフ、そしてそれにシンクロするボンゾのあの、それこそハードだ、ラウドだと解釈されがちなキックのフレーズも実はヘヴィでこそあれ、ハードというよりむしろある種のシーケンスフレーズ的な、ミニマルなフレーズに聴こえてくる。実際、ライヴではともかく、スタジオヴァージョンの特に歌バックを聴いているとベースともども凄く淡々とプレイしているのが解る。これがエキゾティックなメロディのバックを担うことによってどこか呪術的な雰囲気も漂わせる、というワケ。
14年リマスター収録の別ミックスを聴くともう少し解りやすくなって、特にエンディング付近からのサイケデリックな味付けがこういう要素を強調していることが解る。完成版ミックスではこの辺は少し抑えられ、よりキャッチ−なポップミュージック(シングルヒット向け!)としての完成度を目指す方向性に改められたようだけど、別ミックスだと、突如大量に重ねられるパーシーのヴォーカルや、そのあとの唸り声、ギターのサウンドなどがかなりサイケデリック、しかも英国サイケと言うよりDr.ジョンのヴードゥー路線みたいな音にさえ聴こえることが解る。
実はこの解釈だと次のFriendsへの流れも自然だし、誤解されがちな「異色作の中で唯一の従来路線」なんてのは大嘘だ、ってコトもよく解るはず。結構実験的なんだ、この曲も。
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