2014年5月6日火曜日

Deep Purple / Smoke on the Water

20代の頃はもうすっかり飽きていて、一生分聴いたなんてうそぶいていたけど、40過ぎてから何故か意識してこの曲を聴く機会が増えてきた。ライヴ盤の流れでなんとなく聴くんじゃなくて、ちゃんと「Smoke on the Waterを聴こう」って思って聴く機会が出来てきた。コレは俺にとってはかなり不思議な出来事。聴きたいんだよね、不思議と。

 あえて言えば、ホントつまんない曲だよね。一本調子でグルーヴもシンコペーションもないリズム。歌はぴったり音符の上に綺麗に収まって、ドラムは16分音符を叩くけど16ビートは叩かない。オルガンは暴れないしギターは端正なフレーズを弾く。ベースもきっちり8分音符。歌詞はスイスで起こったことを何の捻りもなくそのまま歌う。面白いこと一個もない。

 こんなクソみたいな曲が何で受けたんだ、と。

 いや、だってさ、もうどうしようもなくポップでキャッチーだもんね。過激なハードロックでも何でもないんだよ。単なるポップソングなの。ひたすらわかりやすくて、聴きやすくて、耳当たりのいいフレーズが一杯あって、シンプルで、リズムもソロも安定してて、何も逸脱しないから安心感があって、歌詞も難しくなくてわかりやすい。

 えーとね、逆説的に貶してるんじゃないのよ。

 むしろ逆でさ、ガキの頃つまんねえ、って思った部分が、ポップをちゃんと消化してあまつさえアイドルまで聴くようになった耳にはもうドンズバで響くのね。わかりやすいのって圧倒的に正義なんだよ。特にポップミュージックの世界ではね。コレに文句言う筋合いは何処にもねえんだ。それが解るのは退行じゃなくて進歩なんじゃないかなあ、ってのは自己正当化かねえ。

0 件のコメント:

コメントを投稿