2014年4月25日金曜日

The Pretty Things Philippe Debarge


 Pretty Thingsのファンとしては相当遅ればせながら、ではあるのだけど、69年にフランスの資産家Philippe Debargeのバックをやったアルバム(当時未発表)を買ったのだ。要するに、S.F. Sorrowが(商業的に)コケて貧乏暮らしだったところに「お金やるからボクちゃんのバック演って欲しいザマス」って、おフランスのお金持ちに札束でほっぺたひっぱたかれたのでこの狂犬達はキャンキャン言いながら尻尾振って適当にやっつけてみせたのだった。

 えーと、多分嘘で、メンバーはそれなりにデバージに対する想いがあるはず。アルバムのラストにはメイとウォーラーがデバージに献げた曲(08年録音)が新録されている。

 メンバーはS.F. SorrowとParachuteの中間期で、ディック・テイラーが抜けてヴィクター・ユニットが入ったけどまだトゥインクは時々顔出してるよ、って感じ。当時録音の12曲中4曲でトゥインクが、残りの8曲ではジョン・ポーヴィがドラムを叩いている。また、3曲は同時期のEven More Electric Bananaでも演奏している曲で、そういう意味ではPretty ThingsというよりElectric Bananaの番外編と言ってもいいかも知れない。

 68〜69年ってやっぱり美味しい時期で、それなりの「らしい」音が充分に聴けるし、デバージのヴォーカルも線は細いがアコースティック寄りのサイケサウンドとの相性は悪くない。それにメイ、ウォーラー、ポーヴィがいつものハーモニーでバックアップしてるから、聴いてて心地よいし、ああ、やっぱプリティズだなあ、とも思えるし、例えばEven More Electric Banana聴き終わって「もう少し聴きたいなあ」と感じたときに丁度いい感じだ。

 それから特筆したいのは、プリティズのヴァージョンはBBCライヴでしか聴けないSend You with Lovingを演っていること。アレンジはほぼ同じだから、これをシンガーが違うだけのスタジオヴァージョンとして聴けばよい。ドラムもトゥインクだし。

 とはいえ、それなりに手抜き作品であることは間違いなくて、特にトゥインクのAlexanderでのプレイをElectric Bananaやプリティズ本体のライヴと聴き比べると「あー……」って気分になるからよくわかる。ってか、トゥインクが叩いてないのかな、あっちは。でもお前ポーヴィより地味なプレイってこと無いだろ、っていうね(笑)。

 ちょっとした、のつもりが普通にレビューになっちゃったな。

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