2014年3月17日月曜日

808 State

 最初からそこまで重要な存在だったかというとそうでもなくて。

 そりゃあ勿論、あの時代、あの手の音楽を聴いていて808を避けて通るなんてことが可能な筈もなく、最初に聴いたのはなんだったかな。国内盤のPacific/Cubic/Olympicのミニアルバムみたいな奴だったような気がする。生のサックスや生のギターが入るテクノってのは俺には新鮮で、当時組んでいたバンドのオープニングSE用にサックス(打ち込みだけど)入りのトラックを作った程度には影響受けた。

 あんまりシングルは買わなかったんじゃないかな。Oopsはなんとなく買って、ビョークのヴォーカルが馴染めなくてそれほど気に入らず。で、多分EX-ELを買ったんだと思うな。すぐに気に入ったのがLiftで、シングルも買った。いまだに808では一番好きな曲。Pacificより好きなんだよね。まりんのソロアルバムとか、ジミー・コーティがいつだかやったTransit Kingsと並んで「空港系テクノ」って呼んでる。気持良い曲。 808の曲はいつも何とも言えない浮遊感があるんだよね。 Time Bombは好きなんだけど、アッパー過ぎてあんまり「808の曲として好き」って印象じゃなかった。当時の嗜好がずれ始めてたこともあって、Gorgeousは友達にあげちゃったんだよな。最近買いなおしたけど。で、それ以降しばらく聴いてなかった。

 2011年のソニックマニアはプライマル目当てで行ったんだけど、終了後少し他を観てからアンダーワールド、という気分の時、通りすがりのスペースで808がDJやっていた。「お、808だ」程度の気持ちでふらふら入って行って、この絶妙に空いたスペースで気分良く踊っていたらものすごい多幸感が訪れて。なんかね、道端で踊ってる気分なのね。スペースもたっぷりあるからてきとーに移動したり、ふらふら踊ったり激しめに踊ったり、瞬間ごとの自分のテンションに対してもひたすら自由で。周りが盛り上がってるから一緒に盛り上がる、じゃなくて各自が勝手に盛り上がったり、落ち着いたり。異常に気持ち良くて。で、そろそろアンダーワールド行こうかな、と思った瞬間にPacific回すもんだから動けないじゃん?しばらくしてまた今度こそアンダーワールド行こうかな、って思った瞬間に今度はYeke Yekeじゃん?動けないじゃん?もう諦めて、最後まで。アンダーワールドはどうにかラスト4曲ぐらい見ました。 この時から俺の中で808が再び重要になって、当時持ってなかったPre Buildとかも買いなおしたり、7インチ(12でなく!)何枚か買ったり、Tシャツ買ったり(笑)

 それで、2013年、ハシエンダに808が来る、今度はライヴ、って言ったら行かないわけねえじゃん?ホントは、大阪で808のDJ+ハッピー・マンデーズのライヴっていうのもやる予定で、遠征する気満々だったんだけど何故かマンデーズ来日が流れて中止。まあ、この時期仕事でハマっててどっちにしろ行けなかったから泣き笑いなんだけど……

 でもまあ、808は大磯で観れたわけですよ、がっつりライヴを。コレがまた、生バンドで笑った。ドラムにエレキベース、キーボードが二人にMC兼DJという編成で、肉体的だけどやっぱりあの808の音で見事にテクノ!っていう素敵なライヴ。 ライヴだしね、やっぱり「みんなで盛り上がる」感じになるのは仕方がない。時間も短いから基本的にアゲっぱなしだし。狂ったように踊ったね俺は。でもグレアム・マッセイがソプラノサックスを取り出した瞬間はうっすら目に涙が……ライヴで泣きそうになったのはフーの初来日に続いて2度目です。 幸福って意味では2年前のDJセットには適わなかったけど、興奮度では圧勝。圧倒的に素晴らしいライヴ、っていうか気持良いライヴだった。

 完全燃焼してこの後はいろいろてきとーに観流し踊り流しながらだらだら酔っぱらってそれはそれで気持ちよかったんだけど本稿とはすこしずれる

 ずれたついでに余談すると、この日俺はAltern8のTシャツ(90年代に持ってた奴のレプリカ)を着て行ったんだけど、たまたま駐車場のところで石野卓球とすれ違っておもむろに指差され「おっ!Altern8」と言われてしまったのは、少し自慢だ。

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